あれは高校入学して一日経った時だったかな、僕は中学から陸上部に入部していて
この高校にも特待生で入学しました。僕が入った高校の運動部は皆坊主にするという
謎の習慣がありました。なので誰が特待生かどうかはすぐに区別できました。
僕が帰りのHRを終えて部室に行こうとしていました。階段を下りて下駄箱で靴を履き
替えて校舎を出ようとしたときにいきなり後ろから制服を引っ張られました。
先生「おい!お前なんで今挨拶しなかった!」
僕は何が起きているのか分からなくて戸惑っていました。
先生「おい、何とか言ってみろ。」
何とかって言われてもお前は視界に入ってなかったし、どこから見られていたのかも
分かりませんでした。
僕「すみません、気づきませんでした。」
先生「気づきませんでした?お前の下駄箱の反対側にいたぞ。」
僕は思いました。
(こいつは何を言っているんだ。反対側なら気づくわけないだろ。どんだけお前らに気を配らなきゃいけないんだ。)
と頭の中で思っていても先生にそんなことを言えばもっと面倒なことになると思ってい
たので。素直に謝ってこの場からさっさと去りたかったそんな気持ちでいっぱいでし
た。
先生「お前坊主だから、特待生だな?どこの部活だ?」
僕はこの時に理解しました。なんで運動部や特待生が坊主にしないといけないのかと
いう理由を、それは運動部や特待生を見分けやすくするためでした。
僕が陸上部だと言うと顧問に伝えとくと言われました。
このゴミみたいな先生(以下ゴミ先生という)と話が終わって遠くから僕が怒られた下
駄箱付近を見ていると驚くべき光景がありました。それは、ゴミ先生に挨拶をしていな
くても注意も何もされていなかったのです。僕はびっくりしました。どうして気づいて
いるのに注意しないのか、その理由はすぐに理解しました。それは、その生徒が坊主
じゃなかったからでした。
僕は入学して一日でこの学校の先生が嫌いになりました。
その後、顧問の先生に呼び出されて死ぬほど怒られると思っていたのですが。
怒られた理由を顧問の先生にいうと、叱られませんでした。逆に「それは残念だった
な。」と笑いながら言ってくれました。
僕は入学して一日でこの顧問の先生が好きになりました。